月曜日

Otsuki-Sasa 論文の査読書への返事:ひとりの査読者が実に素晴らしい。液体論やMCT を熟知し、論文のテーマである動的降伏応力に関する最近の諸々の研究を全て押さえたうえで、新しいタイプの研究に適切な距離をとっている。本質的な課題として何があるか、論文表現上の問題として何があるか、等を言葉少なく明確に論じている。前半については、大槻君の原案が応え切れていないので、もういちど原案をつくってもらうことにして、後半部分は僕が考えることにした。最初、こんな感じかな、、と書いていたが、中々ばしっと決まらない。うーん、とうなりながら、もう一度査読書を読み返す。おぉ、そういうことか、、。今の表現だと、仮定がひとつ明示的ではないので、下手すると循環論法にもなりかねない、、ということだな。この論文では、少し補足するだけで済ますけれど、regular paper では注意して書かないといけない。

論文を投稿したとき、びっくりするくらい低レベルな査読者に遭遇することはよくある。意見分布をとるために、それは避け得ないことで、それに対して、「第3者(=最終的には編集長)」が納得するように説明するのも自分の理解を高めるのだと思って対応している。その一方、今回のこの査読者のように、真の専門家にあたると、「世の中まだ捨てたもんではないな、、」と少しうれしくなる。誰だが知らないが、是非、お会いしたいものである。きっと近年中に会うだろうとは思う。

論文"A theory on critically divergent fluctuation of collective relaxation events at non-ergodic transtions" (仮題 ver...) さすがにintroduction が難しい。まだまだ構成レベルでダメなので書き直す。