金曜日

Iwata-Sasa II: 今日までに進む方向をみたかったので、朝から議論。よし、これでとりあえず感じをみよう、、というところまでつめて、会議から帰ると、岩田さんがもっと簡単な話にしている。お、これならすぐにわかる。絵を数枚書けばいいので、さくさくと絵を描く。

ガラス系の非エルゴード転移は、Iwata-Sasa Iの立場では、saddle connection bifurcation である。これは、ある1次元ポテンシャル中の粒子の運動(ゼロエネルギー)を頭に描くことからはじまった。そして、ミクロモデルから近似をつかって実際に示した。Iwata-Sasa II で問題にするのは密度の4体の時間相関とかその相関長というおそろしいものであるが、1次元ポテンシャル中の粒子の運動に対応して、(とある別のポテンシャル中の)1次元量子力学のゼロエネルギー固有関数の振る舞いで理解できそうなのである。[両者のポテンシャルは関係している。]これは楽しい。絵をさくっと描くと、4体相関がかなり増大する(が発散しない)ことはすぐにわかる。(数値的には、発散と区別がつかないだろうこともわかる。)ついでに、相関長のありえるふるまいも速攻でわかる。増大はするが発散はしない(が、数値的には発散だとみえるだろう。そのレベルで増大の指数もさくっとわかる。)

もちろん、まだ裏をとっていないので、岩田さんが今丁寧に確認している。また、この描像はまだミクロから導出されたものではない。(ただし、何をすればいいかはだいたいわかっているので、描像が確定すれば、ミクロモデルから近似つきで計算して示すことはきっとできる。)

個人的にこうい理論は、すこぶる楽しくて大好きだが、ガラス理論の主流派が納得するまでに何年かかるかわからない。なんせ、MCT 絶対王政時代だからなぁ、、、今は。

くしくも、今日、Otsuki-Sasa がPRL にreject された。論点はほぼひとつで、MCT でない理論は信憑性がないので、長い論文を書いてより確かな証拠が必要だ。。。とか、Otsuki-Sasa では、Jamming, glass, slow dynamics の研究で積み上げきたものが一切いらないことをいっているが、これは、信じがたい。。。とか。大槻君が数値実験を積み重ねて、ずり指数に関する限り、MCTよりOtsuki-Sasa の方が正しい確信は強まっているし、虚心に対象をみれば、応力という静的なものをみるのに、時間相関までもどって解釈するのは遠回りであるのは論理的に自明だと思うが、なかなか MCT の牙城は固い。

Otsuki-Sasa ですらそうなんだから、もろ時間相関をみている Iwata-Sasa I, II など、最初は(ガラス理論主流派からは)無視からはじまるだろう。そこをどうひっくりかえしていくか、という視点からの計画を考え始めた。(実は、MCT は、勉強する気がしないので、一般的なことしか知らない。そろそろ、詳細を勉強して、叩くことも考えようか。)