火曜日

1999年5月12日に僕から蔵本さんにあてたメールの1節:

”関連して、 ガラスの問題を、mode coupling theoryでmemory kernel の self-consistent な扱いからガラス転移を議論していますが、あれも、マルコフになるような変数が足らないだけだと推測しています。しかし、そういう問題では、くりこみも動的シュクヤクも役にたたず、系の物理を直観せざるをえない。 その変数をあれこれ夢想するのは結構たのしく、最近、よく考えています。 ”

このメールの前に、力学系の縮約とイリノイくりこみ群の関係に関する膨大なやりとりがあって、このメールでは、メモリーの扱いに関する僕の意見を書いていて、「それに関連した」補足として、上の段落がある。今からみると、なかなか面白い。マルコフになる変数が足らないのでなく、そういう変数を見つけることが難しい、のが正しい推測。そして、ゼロモード振幅を変数にとることによってマルコフにできて、実際、非エルゴード転移が説明できるのが結果。(上の段落を転送した岩田さんからの速攻のコメントだが。)

7年越しの話だと思うと、格別の想いがあるか。。しかし、実際、この話がはじまった1年前は、そんなこと忘れていた。[id:sasa3341:20050303 に方針がぼやっと書かれている。特異摂動の言葉は、id:sasa3341:20050317 に書かれている。] 相関関数だけで閉じた式を書いてきたのは岩田さんで、それをどう考えるかぼーとしていて、ゼロモードの振幅方程式でだせるかもな... という夢想したのは 2005年2月26日 だった。