木曜日

力学粒子系でのFDR violation: お、ちゃんと破れている...って、待てよ、同じプログラムで平衡のときに破れないことをみせないと意味がないな。(バグがあれば、平衡・非平衡に関係なく破れるから。)院生にはいつもいっていることだが、自分にもいって、ため息をつきながら平衡の場合の実験をとばす。

FPU散乱:うーん。この系では、かなりの数値精度で、Jacobian の補正がない普通のJarzynski が成り立つ、、というのがtentative な結果かな。正確には、Jacobian補正を考慮にいれるほどの系がみつからなかった。自由度の大小やカオス性の有無に関係がない。(ただ、カオスを示さない系のデータには奇妙な振る舞いがある。)低自由度では、Jacobian 補正があった方がよりいいようだが、低自由度かつ大きい不可逆性という例がなかったので、その検証をちゃんとすることはできなかった。[いや、根性いれて考えれば、きっとつくれるはずですが。]自由度を大きくすると、不可逆性を大きくするのは簡単だが、その場合には、普通のJ等式が非常にいい精度でなりたつので、Jacobian のでるまくなし。算数的には、J等式が成り立つことはないはずがないので、どうしたものだろう。

proceedings 書きは、もはや、研究になってしまった。非平衡の論点を徹底的につめていくと必然的に平衡近傍の理解のみなおしにつながり、そこがみえると非平衡についても少し賢くなる、というのは何度も繰り返されてきた。今日やっていたことは、ブラウン運動のミクロからの導出である。自分なりにだせたらいいな、と思う論旨があるので、その線にそってやっていた。。が、うまくいかない。射影演算子でいいではないか... という理解に展望がないことを明確に論証したいわけだが...。このペースだと肝心のproceedings はいつまでたっても書きはじめれない。


今朝は普段より1時間はやく大学にきて朝のうちに懸案事項を処理する。ちょうど1週間くらいかけて、相関基礎系の宣伝ポスターのデザインをいじっていた。よりにもよってもっとも不向きな人が担当になっている気もするが、とにかくポスターをみながらあれこれやっていた。基本的には昨年のを踏襲するので、グループ紹介の図をいくつかいれかえるだけである。やるひとがやれば2時間ですんだかもしれないが、あっちにいったり、こっちにいったり。。多くの人から図案のアイデアをもらったり、資料を提供してもらったりしたが、結局、僕の最終案を選んで、業者に連絡をいれる。3月末に各大学に発送する予定なので、これも締め切りを意識して作業しないといけない。