月曜日

Nakamura-Sasa 論文:非平衡条件下で相互作用する多体Langevin 系から、粗くみた密度場のfluctuating hydrodynamics を導出する。これは、将来的には、揺らぎの長距離相関部分と短距離の熱力学部分を統合して記述するための叩き台だと思っているけれど、世間的には、そういう計算が具体的にに可能なことをみせることに意味がある。論文の全体がだんだんそろいつつある段階で、相互作用がない場合のfluctuation hydrodynamics levelでの第2種FDT の証明をつめていた。中村君がすでに、夏に、平衡の場合に証明をし、非平衡の場合に数値積分をつかった数値証明をやっていた。(それゆえに、非平衡条件下で、詳細つりあいをやぶって、異方的であっても、相互作用がなければ、長距離相関はでない、、という物理的にはあたりまえのことが導かれる。)数値的に成り立つのだったら、論文投稿するときには証明できるから、、、といっておいたので、いよいよ僕がその証明を考え始めた。昨夜、中村君の草稿をみながら、その証明の筋を考えていて、だいたいみえたかなぁ.... と思ったら、今日、僕がその筋を話すまえに、中村君自身が、ちゃんと証明していた。うむ、いいぞ。

論文中では、付録の1節に過ぎないかもしれない。しかし、こういうのは大きな意味がある。夏にはスマートにはできなくて、だけど、研究としては絶対に確認しておかないといけないので、時間をとって数値証明をして区切りをつけた。そして、最終的には、自力で証明までこぎつけた。自分の自信になるだけでなく、泥くさい過程を経ながら綺麗な形を論文に残す過程を経験できたのは、今後の研究生活に変化をもたらすだろう。