日曜日

新学術領域の研究会が九州大学であった。金曜日から日曜日まで。博多駅から片道約1時間のバスで往復し、講演も朝9時から19時前までぎっしり埋まっているのは、中々にハードであった。

学問的にいちばん大きな収穫は、中川さんとの議論であった。僕たちの計画研究は、「非平衡ゆらぎの熱力学体系」という題目なので、本流はSST である。(ネーターとかももちろん課題に関係する大きな成果ではあるが、直接的な目標達成とはいいがたい。)この科研費が始まっても、SSTでは、(Hatano-Sasa の応用という成果はあるものの)、本丸部分は厳しいままで、そこは分担者の中川さんに託していたところもあった。GW明けに中川さんの「ジャンプ」を聞いて、何かいけるかもしれない、と機運は盛り上がっていた。ただし、どのように展開するのかが見えてなかったので、今回話をすることにしていた。僕は、どちらかというと、そのジャンプにもとづいて確実に言えることの上限を探る方向を何となく思っていた。ただ、この「ジャンプ」はプロ的なので、分かりやすい結果でなく、そこに地道に積み上げてもいまいちかなぁ。。まぁ、何もなければ、そうするしかないと、、くらいの位置づけだった。ところが、中川さんの第一声は、全く違う「○○というあたりで何かできないか」、とういことだった。「いや、まてよ。○○は確かに重要なのだが、SSTとの関係は細いし、中川さんの5月のジャンプとも関係ないのでは?」とかなりおろおろしながら返事したのを覚えている。そこから始まって、やはり、関係ない;いや、こうみたらあるかも、あれ、いけるかも;いや、ダメだった;こっちで復活するか;いや、おかしい;これで、どうだ、、というのを繰り返した。帰宅途中も気になることがあっておたおたし、自宅に帰ったあとでノートを書きながら整理した。結果、今のところ、「素晴らしい」としかいいようがない予想がノートに書かれている。まだ予想なので示していないが、自然で、新鮮で、魅力的だ。驚くことに、その予想では、「○○そのものを問題にし、SSTと深く関わり、かつ、中川さんの5月のジャンプを鍵のひとつに使う。」という、第一声からは信じがたいような結末となった。勿論、予想が間違っていれば、おじゃんだし、そもそもまだ勘違いをしている可能性もある。しかし、それでも、こういう展開は楽しい。

杉浦さん、横倉さんとのも、ときどきやっていて、順調にすすんでいたのだが、途中で動かなくなった。今の論旨だと、マクロ極限では、どうやってもエントロピーが増えない、という、かなり奇怪な(もちろん間違っている)命題が示されてしまう。どこが違うのか、考えていたのだが、見えないままだった。明日以降にノートを整理しないといけない。

あと、竹内さんと(南さんがやっている)KPZの話。おぉー?ということを聞いたり、当然、僕たちで気が付かないといけなかったことを指摘していただいたり。