水曜日

今日も事務案件の対処と、論文改訂と、議論で一日が終わった。論文改訂は「明らかに、よりクリアーになった」と納得できるもので、明日からのセミナー準備に弾みがつくし、なんといってもクリアーになったことで何か次にいけそうな気がする。最新の理解の公開がサクレーのセミナーになる。

しかし、今日の山場は、PDの南さんからの話だった。きたぞ〜感満杯で、いよいよ何かが起こるかもしれない。南さんは1年契約の科研費PDで、最初から僕は課題を説明していた。「難しいけど、できたら大きな武器になるし、今ならできる気がする」という課題だった。僕なりの攻略アイデアはあったのだけど、まずは、僕のアイデアでいくのでなく、誰がやるにしても確実抑えるべきことを徹底的にやろう、という方針で臨んだ。それをやりつくして、既存の方法の限界を見極めた上でアイデア投入パタンですすもうーという話をしていた。ところが、「誰がやるにしても確実に抑えるべきこと」を南さんが徹底的に抑えていって、僕の質問マンモードに南さんが答えていくと、不思議なことが分かってきた。それで、ひょっとしたらこのあたりに何か埋まっているのでは、という話の後が今日だった。全く理解できていないが、勘違いでなければ、少なくとも「これまで誰もが摂動計算したくてもできてなかった量」を計算できるようになる、という意味で有用なのは間違いない方法が分かったことになる。僕がみたことがない論理を使うが、その一方それは極めて自然にも見える。ただ、まだ最後まで計算していないので、どこかに落とし穴があるかもしれない。しかし、そういう考えの背後にある構造こそがこの課題で僕がおぼろげに夢想していたものに違いないので、これがはっきりしたら大きなことにつながるぞ!こういうのは凄く楽しい。僕がしたい理論研究のひとつのパタンでもある。[人類がそれまでみたことないにもかかわらず分かれば自然な計算方法にみえる、という典型例は、臨界指数のRG による計算とかかな。]

また、外国人PDのアンドレアスは毎日ノートを更新して加速モードに入りつつある。(僕は最近フォローしきれていない。)そろそろ山場が近いかもしれない。彼は(秀才モード的な意味で)極めて優秀で、ほんと感心することが多い。