金曜日

3日間(12時間の)集中講義終了。とにかく睡眠をとること、食事をとること、休養をとること、をまず自分に言い聞かせた。12時間を走りきる、というのが第一の目標であり、そのためには、体力のほとんど全てを講義にあてないといけない。次に、腰痛との闘いである。できるだけ負担がかからないように、45分で一度5分くらい椅子に座るようにする。それでも、講義後は何度かやばい感じになっていたが、何とかもった。
 そして、講義。11月に入って、いくつかの案件の他に、論文終盤でのドタバタが重なって、なかなか講義の準備時間がとれなかった。そのため、全体的に精度が低いままになっていた。(講義ノートを何度か書き直して、次第に仕上げていき、最後は完全に頭にロードされたら、そもそも何もみずに講義できるはず。それからはほど遠い。)それでも何とか形になったのは、適切なとことで適切なコメントを入れてくれた参加者の皆さんのおかげである。
 今回の講義を通して、やはり、entropy本を書きたい気はましてきた。エントロピー概論を大学院講義でやったのは2001年度で、15年前だった。あのときも講義しながら勉強して、理解のレベルを段々とあげるつもりだったが、結局、半端なままになってしまった。また、極端に忙しくなってきて、entropyに割く時間の優先順位が低くなった。(エントロピー概論のような話は、研究としては難しい。)今も忙しいが、今回の機会をうまく生かして何か残せたらいいな。
 あぁ、2001年の後は、NESSでのエントロピー概念に没頭していた。これが色々と苦しいので、entropyに戻れなかった。あ、今日の講義後に白石さんと話しをして思い出したが、「過剰情報損失のゆらぎの定理」という論文を2000年6月にarXive にだしている。https://arxiv.org/abs/nlin/0006042 独創性という点だけなら、個人史上最高のものだが、何と査読の途中でやめてしまった。(別にnegative なレポートは来ていない。)あの頃は、あるテーマの研究に没頭すると他のことは捨ててしまう感じだった。NESSでのエントロピーにいってしまったんだな。40才ぐらいで人生を変えたので、それ以前の話。しかし、これを2000年に出しているって、素直に凄いと思う。ただし、その数値実験を理論化することはできておらず、いつか何とかしたい。
 今は、NESS のエントロピー話は、中川さん版で(個人的には)大きく盛り上がっているし、エントロピーそのものもネーターとの関係で(個人的には)大きく盛り上がっているし、これらがうまくいって、あとKSエントロピーと熱力学エントロピーを結びつけることができたら15年前に残した諸々を回収できて大変よいなぁ。。