金曜日

ラファエルとあったときの第一声は、「未来は明るい!」だった。昨日の僕の話が気にいったらしく具体的に計算をすすめることができる、ということで実際にやりはじめたとのこと。昼食後に方針を聞いて少し話をしたが、夕方には「第一歩ができた」と部屋にきてくれた。もっとも簡単な場合に限定されていて、そこで使った条件は次で使えないので、でそれを一般化するのは全然自明ではないけれど、できるだけ簡単な設定でぎりぎりの計算を積み上げていくのは健全でかつ楽しい。そうやって気が付いたら遥か彼方にくることもある。

残念なのは、この今週の展開ー毎日の昼食後の議論ーに院生は誰一人として傍にいなかった。「不可逆性をより深く理解する」ための論点を共有し、そのために「どのような問題を考えるか」検討し、そこに関係する事実を整理して、最初の試みをして、第一回の答えを得る ー そういう研究が具体的につくられていくところを直接みるよい機会だったのになぁ。

横倉さんとの話で、計算は正しいが物理としての理解がうまくできない部分があって、今週はあたふたしていた。文献検索も色々やっていて、今日、やっとひっかかった。81年。Generalization of noether's theorem in classical mechanics イントロは今まさに混乱していることを明晰にする、ということが書かれていて、、横倉さんのノートと僕のノートにそれぞれ8月上旬に書かれた式(とおそらく等価なもの)が論文後半に名前がついてでてくる。夜はその解読をしていた。数学としての理解は深まった。多分、あと少しで、僕の気持ち悪かったところがとれそう。(微分幾何の言葉で3行で証明されているある補題が、幾何学なしで明晰に説明できればよい。)