土曜日

しんどいニュースもあるが、吉報もあった。今後5年間の科研費が採択された。2017年度は通らないと色々と厳しくなるので、採択内定になって心底ほっとした。勿論、採択された後こそが問題なので、5年間で成果を出せるように精進する。課題名は「時間対称性がつなぐエントロピーダイナミクスの階層」(基盤A)である。研究目的(概要)は以下のようになっている。

"私たちによって見出された「エントロピーをネーター不変量として導く時間の非一様対称性」(Sasa-Yokokura, PRL, 2016)を鍵として、異なる階層にあるミクロダイナミクスとマクロダイナミクスをつなぐ理論を発展させる。量子多体系、確率過程(ゆらぎ)、連続場に対して、時間とエントロピーが相互に関わる現象を予言する理論を構築し、熱力学第2法則を対称性の破れとして定式化する。これまでの非平衡統計力学の理解を大きく前進させるだけでなく、量子論、一般相対論、統計力学など物理学の基礎にも関わり、エントロピーの汎用性と理論の豊かさを通じて他分野にも波及すると期待される。"

「ゆらぎ関係」でなく、「SST関係」でもなく、「不規則秩序関係」でもなく、「ネーターがらみ」で押した。研究計画で書いたことを5年かけてできれば、楽しくなると思う。(いつものように流行と全く関係ないところで研究を続けるので孤独感はあるけれど。)