香港で、 こういう会議 に参加している。この会議はDDAPというシリーズもので、非線形科学の発展を...という題目になっている。実は、 1999年のDDAPの1回目に参加している。場所は全く同じ。講演していないが、そもそもポスター発表をしたかどうかも覚えていない。蔵本さんは招待講演だったが、何を講演されたのかも覚えていない。たしか、ホテルは茶碗谷と相部屋で、水口とか御手洗さんとかがいた。もう、いわゆる非線形科学から僕は離れようとしていたころで、そもそも何でその会議に参加しようとしたのかも覚えていない。その後、DDAPに参加したことは一度もなく、日本開催のときも、僕は全く関係ない立場だった。それが、今回、基調講演せよ、との依頼があった。しかし、どうやっても「浮いている」わけで、困ったなぁ、、と思っていた。(こういう講演は、主催者が知人だから、、という側面が大きく、学問的にどうこうというわけではない。)実際、昨日の夕方について、ポスターセッションから参加したが、僕の話に興味を持ちそうな人はいない。。見てなかったプログラムをみて、参加者の全体像が分かってきたが、これは厳しいなぁ。。統計力学に素養があるナイジェル=ゴールデンフェルトとダニエル=フィッシャー(二人とも今は生物がメイン)をターゲットとして想定しつつ、かつ、好奇心が強いアジアの若手たちを刺激するように工夫することを目指して、昨夜に色々改訂した。

講演。ちゃんと事前にパソコンが動くことを確認したのに、つなぐと何も表示されない。ファイルをコピーして別の計算機につなごうとしたが、僕のパソコンが暴走し始めた。やばいと思ったが、暴走が止まって、コピーして講演開始。ターゲットのひとりのダニエル=フィッシャーさんは僕の次の講演で、(僕の講演の前から)どうやらその準備をしているらしいので、見ないことにする。(見るとテンション下がるから。)ナイジェルは、とりあえず前を向いているので、彼の顔が下がるかどうかをチェックポイントにすることを決めた。最初のドタバタがあったせいか、リズムが悪く、予定より早く進んでしまった。途中でスピードを抑えて、最終的には予定通り35分で終えた。10分の質疑応答時間を作ったが、さてさて質問がでるか不安だったが、10分続いたので良かった。仮に質問がでなくても、ナイジェルは最後まで前を向いていたし、全体をみても8割以上はついてきてくれたと思うので、まぁ合格でいいと思う。休憩時間もたくさんの若手が質問にきてくれて、若手の刺激という意味でもよかったのだと思う。

しかし、会議全体は、何とも言えない気分になる。非線形動力学の生物等への応用がメインだが、僕はどんな分野でも「既存の方法の応用」に興味ないからなぁ。ほとんどの話は実は理解できる。カオスもパタンも僕が大学院生のときに徹底的にやったので、テクニカルに理解できないことはない。(数理的なことなら、今でもほとんど瞬間に反応できる。もちろん、「アイデア」は面白かったり、意味があるかもしれなかったり、色々だけど。今日きいたなかでは、(8月以来2回目だが)金子さんのがやはり面白かった。(ダニエル=フィッシャーさんのは今ひとつ。グレボジさんのも今ふたつ。)でも僕より年長の人たちが代表ではそもそもダメなんじゃないかな。

元気な若手はいないのか、、と思っていたら、バンケットで右隣に座った(物理から入って今はがん細胞の実験をしている)ジェンさんという若手研究者はやたら勢いがあった。研究としてどこまでやれているのかは分からないけれど。。あと、昼食のとき、御手洗さんが左隣で、ずっと英語でしゃべっていたが、研究への向かい方などの話が面白かった。(右となりがエミリー=チンさんで、先方は覚えていないだろうけど、実は、1993年に話をしているんだよなぁ。昼食時、エミリーさんはずっとモーゲンさんとしゃべっていたので、話をする機会を逸してしまった。)バンケットの左隣は、(かだのふの学生でBTWのSOCで超有名になった)タンさんでカダノフさんがどういう風に院生と接していたかなど。。タンさんと会うのは2回目で、前はBTWがどうやってできたかを聞いたのかな。(BTWは院生のときにリアルタイムで読んでもっとも面白かった論文の一つ。)