火曜日

「量子多体系におけるネーター不変量としてのエントロピー」に関する 論文(リンク) を少し改訂して投稿した。前回の古典系の結果 (ここを参照)  の続きである。

この量子版をつくることは、2016年度の主テーマにしていた。正月に量子断熱定理の周辺から入っていったが、どうも広がらない。3月頃は、作用の定義域の制限を量子論的に表現することを考えていたが、難しい。ともかく経路積分を書いてみたが、先に進まない。

6月に杉浦さんが(アイデアとともに)共同研究に加わっていただき、杉浦さん、横倉さんがともに京都に長期滞在されていたので、議論の機会を結構な頻度でもった。それで、何となく方向見え始めた。日記で書いた 「妙手」が(5)式の「1の分割」である。

大筋を研究室セミナーで話したのが6月下旬だったが、細部が色々とつまってなかった。特に、(10)式を示せない。お盆の周辺はそれに没頭していたが、ダメだった。ただ、その機会にテフノートは書いて、論点は分かっていた。8月下旬、(10)式突破への重要なアイデアが杉浦さんからでて、横倉さんの一般化への綺麗な方法をあわせて、(10)式が大体終わった。そこで論文スタイルのノートにした。これで10月中中旬投稿を目指したが、ここからがまたうまくいかない。特に、(17)-(19) から(20)をどのように位置づけるのかで錯綜した。
 
 11月上旬、有志にみてもらったが、散々だった。ただ、そこでの会話で、(17)-(19) から(20) への話が間違った筋になっていることを理解して、作り直すことになった。(22)式に到達したのは、11月中旬をすぎていた。(11/20 くらいかな。)東工大でのセミナーがあったので、やや不完全だったが、arXiv で公開した。いくつかのコメントをいただいて、(5)式の1の分割の説明がまだ不十分であることが分かったのでそこを補足して、投稿することになった。