水曜日

想定よりはるかに長い時間をかけて、査読レポートを書いた。1時間の予定が結局4−5時間かかった。論文の価値は難しく、"nice work!" という論文でもレターじゃないよな、というのはあって、そのあたりはきちんと議論したい。自分の場合でも、例えば、蔵本模型の集団運動の導出とかはいい仕事だと思うけれど、レターじゃさほど意味ない。ひとつづつの計算を明示的に見せてこそだし、あれを圧縮して書いてもメッセージは残らない。伊丹君とのストークス則導出の話もそう。あれも圧縮してしまうと意味がない。これらの仕事が、レターになった研究に比べて価値がないとかそういうことはなく、単なる方向性の問題である。レターの場合は、あくまで数ページでメッセージがきちんとのるのが大前提。もちろん、単にメッセージが薄いだけでレターになっているのもたくさんあって、それはそれでありかもしれないけれど、PRLじゃないと思っている。(残念ながら、PRLには薄っぺらい論文も多い。「タイムリーさ」だけでのっかるのもあるから。。)そういえば、横倉さんとのネーター話は論文を書きはじめるときは、PRX かJSP かと言っていたのだけど、書いてみるとメッセージが綺麗にのっかったので途中からレターにした。これは正解だったと思う。エッセンスは(今のところ)すこぶる簡単なことしかないから。(背景は教科書ができるくらいに膨大になってしまうけど。。解析力学統計力学の教科書レベル+αというのが必要になるから。プラスαを理解しなくても読めるが、そのプラスαの位置づけが中々に難解になっている)

というので、今日の夜は、綺麗な研究だけどレターじゃないよ、という作文をしていた。(テクニカルには学んだこともある。自分の研究にとっても大事かもしれない。)