金曜日

パリ高等師範学校:昨日の日記の「PD の○」は「CNRSのかみーる」だった。(10月にCNRS になったらしい。)僕たちの論文を完全に読んでいて、その次の研究を考えていた。いや、それは確かに考えるべき問題で、月曜日の夜から僕もうつらうつらと意識していた。色々なことを話ながら、そこに向かっていく第一歩はなにか、というのがやっと分かりそうになってきた。なるほど面白いかもしれない。昼食も含めてずっと話をしていて、そこまで来た。(14:00からデリダ先生とのアポがあったので、そこまで議論と決めていて、かなり集中してやった。)大変クレバーな若手研究者で、話をしていて気持ちよかった。多分、帰国後僕は計算してノートをカミールに送ることになると思う。しかも、かみーるは伊丹君がよく知っているレティシアたちの論文の主たるエンジンだった。伊丹君の理解は伝えたが、具体的には来週(伊丹君から)メールを送るよ、、ということに。

デリダ先生の前でエントロピーのネータ話の説明:今週だけで6回目である。概略は完全にわかってもらったと思う。当然のように、普遍定数のところで、うーむ、、ということに。いつもながら、全く温厚な応答なのだけど、聞いていらっしゃるときの目は怖いな。その後、なぜか、ブラックホールだの統計力学の基礎だの教育論だの、、話が限りなく脱線していた。(列車事故があっても間に合うようにパリ市内を離れる予定にしていたので、切らないとまずいので、「すいませんが、このあたりで終わって、ホテルにいってCDG に向かわないといけないので...」と切り出した。(面白いんだけど。。)帰りは、デリダ先生が門まで送ってくれた。途中でマフラーを紛失したことに気がついて戻ってエレベーターで発見して。。。とかあったが、ともかく、外にでた。

これでパリの全行事を終えた。「パリに行きたくない」と2月上旬に書いていたが、行くからには「学位とりたて若手研究者」のような気分で懸命に動こうとした。細かいところでは色々トラブルはあった。(チケットが買えないとか、買ったチケットがなぜか違ってお金がたくさんとられて、かつ、使えないとか。)でも、全部をならしてみて、凄く有意義だったと思う。サクレーのセミナーからはじまって、今日の議論に至るまで得たことは多い。じゅりお、ほるへ、関本さんなど学べることが分かっている人たちとの議論では確実に勉強になったし、でりだ先生やがらぼっち先生のような巨匠への個人的な議論では経験を積んだ。これらは予期していたが、やはり、予期していなかった優秀な若手と新たに知り合いになったのが一番大きいかな。(ほるへの仲介のおかげだけど。)