月曜日

サクレー理論物理部門でのセミナー:エントロピーのネータ話はこの半年でもっとも時間をとった課題だし、先週も論文の改訂をやっていたばかりなので、ピントがあっていた。多くの人に聞いてもらい、どこかの突破口を見いだせればという動機でここにきた。色々な分野の人が参加してくれて、理解してもらえたと思う。そして、もちろん、古典力学+古典統計+熱力学で「作用の次元をもった普遍定数」がでるところは不思議であるので、そこに色々な質問とコメントが集まった。(今回の講演構成はそこがきちんとハイライトになるように組んだ。)セミナーは3回目だが、3回ともでた質問やコメントが3−4つあった。12月の阪大のセミナーと同じ質問・コメントも複数あった。それらに加えて、どこからもなく、かつ、本来僕が自分で考えるべきコメントなのに考えなかったコメントももらった。(これは考えるべきだし、わりとすぐにできる気もする。)じゅりおのコメントは、(僕は考えたことはあったが)、これまでにないもので、物理として全くもってまっとうな筋についてだった。マクロ系の断熱定理は典型性を通じて形式化すべきじゃないか、ということで、それは全く正しく、後半の熱力学的議論とそれまでの議論がちぐはぐになっているのは自分でも気になっている。いっそ全てマクロで通して、マクロ断熱定理をかいて、マクロ系のネーターをつくって... という筋が最終的には正しいと思う。でも、それはすぐにはできない。

その後で、軌道のレプリカ対称性の破れと乱流結晶の議論。(予期していたことだが)、じゅりおのピントの合いかたは半端ない。特に、軌道のレプリカ対称性の破れについては、これまでのどの人よりも深いところで議論がなされ、こっちも必死で対応し、多分、すごく大事かもしれない論点を理解した。乱流結晶はもう相当に疲れてしまい、ぐたぐたになってしまった。じゅりおの質問に答えられないのもあった。(その課題を全力でやっていた4−5年前なら僕は即答できたと思うけれど、何というか、僕の死につつある脳みそはそれを思い出さない。)その質問への答えも含めて、再起動する動機は高まった。

パリ初日にして、すでに疲れはてている。

ホテルに帰ったら、じゅりあんからメールがきていた。「明日のセミナー、化学や生物の実験の人もいるし、院生はあまり知らないので、できるだけ教育的にね。。」そうだったのか、いや知らんぞ。そういうようなことお前日にいわれてもなぁ。明日早朝起きてやろう。。(半端に寝てしまった。最悪パタンかも。)