日曜日

決定論的蔵本模型の摩擦係数の数係数の計算、終了。三角関数の積を和に変換する際の1/2を忘れて1時間ロスしたが、問題なかった。最短手数も理解した。昨日書いた「千葉さんの結果が直接でる」は違っていて、別の表現が先にでるのが自然なようだ。そして、ノイズレス極限の表式と等価であることを示すのに、それを経由して等価性を示すというのが正しかったようだ。

ボーナスとして、臨界点近くでの非同期相で指数緩和する(振動数分布の)十分条件も「この摩擦係数の値がきちんと確定すること」としてはっきりした。この条件が成り立たないとき、指数緩和することは限りなくありえないことは分かるので、(証明ではないが)それはほぼ必要条件でもあるような気がする。ノイズレス極限で指数緩和する条件はこれよりずっとマイルドで、例えば、コンパクトな振動数分布の場合には、決定論系では指数緩和の条件を満たさないがノイズレス極限では条件を満たす。ともに条件を満たす場合、摩擦係数の値は確定し、決定論系とノイズレス極限系で一致する。(コンパクトな振動数分布については、すとろがっつたちの20年前の論文で議論されているが、どれくらい一般化して議論されているのだろうか。振動子業界に聞かないと分からない。)

2ヶ月くらいまえに数値実験で決定論蔵本模型を観察して、指数緩和する場合としない場合をみて、ふぇ〜と言っていたが、これで数式で制御して理解できたことになる。全てが明示的に計算できるのは本当驚きだ。とりあえず、気持ち悪かったものは完了したので、仕事にもどろう。

*寝る前

最近、記憶が消えることが多い。TVを見ても名前を思い出せないことも多いだけでなく、さっきの僕は何をしたかったんだっけ、のレベルの経験も増えてきた。容量超えでオーバーフローを起こしているのか、加齢のせいなのか、おそらくその両方だろうけど、中々厳しい。時間感覚の消失感も急激に増えてきた。日記をみると、↑の問題は、月曜日に振動子研究者たちとのやりとりで、夜に「もう一度たちあげるかぁ」と思ったのが再出発ののろしだったらしい。月曜は何もせずに、火曜日に非平衡等式がつくれそうな感じをつかんだ。水曜日はへばっていて、木曜日は病後に(間違えた)計算をした。断熱定理の一般化が鍵だと見抜いたのもそのときだった。金曜日は一般論の確認をして、土曜日に計算の確認をした。実は、月〜金はほとんど時間をとっておらず、実質は土曜日だけかな。これは結果としてかなりの時間をとった。今日は昨日の清書と計算間違いの修正。この歴史を見ると、確かに計算できる、という確実な証拠を出した土曜日も山場だが、ほとんど無意識的に計算して非平衡等式がつくれている感触を得た火曜日こそが転換点だった。この転換点は、朝の電車の中での式の風景を頭で描いていたのが始まりだった。夕方ペンをもって計算したのも10分だった。日常の中で、何の気負いもなく淡淡と考えたことが次のステージにつながる、というのは何度も経験している。まさにその典型の1週間だった。(1ヶ月のようにも感じるけど。)1週間前の日曜の夜に、1週間後にこんな状態になるとは思いもよらなかった。決定論的蔵本模型に対して簡単に計算できたことも不思議だけど、こういう研究の流れ方自体が大変不思議だ。