木曜日

急な温度変化に対応できず、水曜日に体調をくずした。講義はしたが、回路が切れた感じになってしまった。(何かに憑かれたように、頭を経由せずに喋る。)早々に帰宅して、12時間睡眠をする。今朝は大分回復していたが、明日の会議は大事なので、今日は休むことにした。専攻長会議など2件の会議は代理をお願いする。12時間寝たにも関わらず、朝も爆睡。昼食後、午後も寝た。夕方、事務的な諸々に対応。

夜、ほぼ元通りになってきた。火曜日の夜に気になっていた「決定論的蔵本模型」の計算をする。(すまん、D論関係、バタバタしていて打ち出すチャンスがなかった。土曜日に送られるとそれが困る。)色々と分かった。まず、振動数分布が局在している場合の非指数緩和はちゃんと分かった。そして、とあるクラスの場合は、ノイズ蔵本でノイズゼロ極限と一致することも分かった。何と言っても、これらの議論に「レゾンベルトを解析接続して、リーマン面の極を...」などは一切あわわれず、全て、当たり前のやさしい議論だけで、これらの結果が分かる。緩和の機構は、zwanzig模型や量子力学の話と同じで、色々な振動数が混じっているので緩和するよね、に尽きる。描像だけでなく定量的にも完璧である。

ただ、唯一の弱点は、流体導出論文と同じく、初期条件の分布に強い制限を課していることである。以上の綺麗な結果は、初期分布をうまく選ぶことで得られるので、それをはずすと色々と分からない。物理的には、臨界点の近くで、この初期条件の分布はそんなに悪いわけではないが、それ以外の場合はどうなる?と言われたら困る。千葉さんの数学の論文では、そういう問題は全くなく、由緒正しい動的縮約として結果が得られているので、それよりは随分と弱い。Ottたちの話と位置づけは似ているが、振動数分布はもうちょっと広くていい。(ガウス分布でもいい。Ottたちのはダメだよね?)

何故うまくいったのか、という理由も考えると、要は、「断熱定理」が(ほぼ)成り立っているからだった。ハミルトン系の場合、普通の断熱定理は、エネルギー保存則と可測性の結果として理解できるけれど、今の場合は両方破れているにも関わらずそれぞれの破れがキャンセルしてうまく成立するように見える。(厳密にはまだ少し微妙な点があって、(ほぼ)がまだとれない。)うーん、でも、そうだとすると偶然か...。