日曜日

12月13日にある一般向けの講演会のプロットを書きはじめる。大体できたと思ったが、資料をみると90分講演だった。50分のつもりでつくった。うーんん。とりあえず明日からスライドを作りはじめて、30日には0版にしたいところ。

KS方程式の解析:ひとつ公式をつくった。これはまずまずだが、終わりではない。とある方針が残っているが、どうもピンときていない。ちょっとまだ時期ではなかったか。どうしても強引さが残る話になってしまう。非平衡等式を使えていない。

翌朝、目が覚めたら論点が分かった。KS方程式の場合、定常状態のゆらぎの性質を理論的に理解することは困難である。だから、定常状態の話とダイナミクスの話を分離すべきである。(蔵本振動子では、定常状態はself-consistent方程式で綺麗に分かっていた。その上でダイナミクスを求めるのが課題で、それが簡単に理解できるようになった、という話だった。ハミルトン系の場合、平衡分布という特別なのを知っていて、その上でダイナミクスを求めるのだった。)昨日やったのは、定常状態における統計を既知とせよ。その場合、特異摂動で低波数部分のゆらぎのダイナミクスを表現することができる、ということになっている。(ただ、表現でしかなく、複雑な数値積分が必要なままになっている。)また、使った特異摂動は難易度が高く、マニアックな技巧を駆使している。スケール分離の摂動を(うまく)使って結果は「正確」なはずで、制御不能な近似は入っていない。[ただ、くどいが数値積分が残っているので、数値を求めるまで矛盾を含むかどうかの判断はできない。] 非平衡等式による簡単化が可能なら、この部分を簡単化することになるが、そういう見方で問題を捉えなおすことはできていない。この2日でやりたかったのはその部分で、当初そっちの方向性で色々考えていたのだが気が付いたら特異摂動に流れてしまった。

最終判断はまだだが、今のところ、Yakhot予想は成り立っていない可能性が高い。物理的にいうと、長波長で弾性波が発射される寄与をキャンセルする機構が今のところなく、(どのような変数変換をしても)KPZ方程式とは様相が異なる − というのが当面の予想。(KSに対してくりこみ群でflow をおっかけるやりかただと relevant parameter を仮定してしまうので、そういうのはそもそも議論できないからなぁ。)あれ待てよ、マクロ極限でゼロになるのか?微妙だな。丁寧にやらないと破綻しそうな微妙な話。。。